Event Report
2012.03.25 (日)
第2回スローフード勉強会レポート
"食や農を学んで探る!スローフード勉強会"が3月25日に開かれました! 

「おいしい・きれい・ただしい」を方針に食品生産と消費の関係やよりよいライフスタイルを追求するスローフード協会と、産者と消費者をつなぐ農業実験レストラン・六本木農園が送る、コラボイベントです。

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生産者、食の専門家、地域活動や環境、教育等の隣接する分野に精通されている方や、六本木農園ゆかりの生産者さんをゲストスピーカーとして迎え、これからの持続的なライフスタイルや食について探っていきます。

第2回目を迎えたスローフード勉強会、今回はあの3.11の震災から1年ということで、被災地、福島から生産者さんたちにお集りいただき、現状やこれからに対する思いを語っていただきました。

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真剣なまなざしでお話を聞く参加者の皆さん


斉藤保行さん(福島市 斉藤農園きゅうり生産者)、丹野友幸さん(福島市 丹野糀店)、遊佐勇人さん(二本松市 人気酒造)をゲストに迎えお話しして頂きました。      


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きゅうり生産者の斉藤さん

まずは、福島市できゅうりを生産されている斉藤さんにお話をうかがいました。
斉藤さんのキュウリはハウス栽培で、デパートなどで扱われていた高級品ですが、震災後は風評被害の影響で、検査で安全面に問題はないという結果でありながら、販路を失われたという経緯があります。
斉藤さんの栽培方法は、だしをとった後のかつおぶしや昆布、トウモロコシ油カスなどこだわりの肥料をつかったもので、きゅうり本来の味がそこなわれてしまうということから、化学肥料は使いません。
『植物も人間と同じで食べている。土の中を発酵させ、畑の健康を保つことがおいしさの秘訣』と語られました。
『これからも、理屈ぬきでおいしいと感じられるものを作っていく』という斉藤さんは、お孫さんが生まれてからさらにこの思いが強くなったといいます。


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地元に根ざした味噌作りをされている丹野さん


次にお話いただいた丹野さんは、福島市水原地区で自家栽培の大豆「タチナガハ」を100%使用し、糀に使用する米もご自身で作られたもの、全て手作りで味噌を作られています。

天然醸造で生味噌(殺菌しない)を作られる丹野さんの味噌は、発酵が進み時間が経つにつれてどんどん味が変化していくそう。私たち生活者はいつでも同じ味を求めがちですが、自然な発酵による1年を通しての味の移ろいを楽しんでみて欲しい、という丹野さんのお話は大変勉強になりました。

また、うちの味噌がたくさん売れたらいいとは思わない、という丹野さん。

『家庭ごとに「うちの味」が一番という、「手前味噌」の文化が戻ってきてほしい』本来おいしいとは、画一的なものではなく、各自のバックグラウンドに大きく関わってくるものだと思う、という丹野さんの言葉に、地域ごと、家庭ごとに特色のある本来あるべき地産地消のかたちを感じました。


最後にお話いただいた二本松市にある人気酒造さんは、3.11の後、土砂をせき止めるために使用したコンクリートが放射線に汚染されており、やむをえず移転、新しい蔵で仕込みをされています。
新しい一歩を踏み出されている人気酒造さんですが、未だに『自宅用には買っていただけても、ギフトにはなかなか使っていただけない』といいます。問題の根の深さをあらためて感じ、やるせない思いでした。
人気酒造さんは完全手造り・寒造り・普通酒は造らない、という非常にこだわった酒造りをされています。『長年の価値観にとらわれず、時代の変化にいち早く対応、時代とともに変化してゆく酒造りをしていきたい』という遊佐さん。国内でも楽しんでいただきながら、世界でも評価される国際化に応じた酒、が目下の目標だとか。
また、古酒やお酒の飲み頃に関する質問に対して、『酒は出荷してからも変化し続けます。いつ飲むのが自分にとって一番おいしいのかを各々が見つけてみて欲しい』丹野さんのお話ともつながるところを感じました。


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お3方のお話をうかがった後、ブレイクタイムが設けられました。

斉藤さんにお持ちいただいた、今朝とれたばかりのきゅうりに丹野さんの手作り味噌をつけていただきながら、
人気酒造の日本酒3種、飲み易い『スパークリング日本酒』、海外向けに作られたという『ゴールド人気 純米大吟醸』、1年で一番寒い大寒の日に仕込まれた『大寒仕込み』の飲み比べをしました!


斉藤さんのきゅうりはとても瑞々しく、皆さん手が止まりません!
あっという間に20本以上なくなってしまいました。
お味噌との相性の良さも手伝い、ついつい日本酒を飲むペースが上がってしまっていました。

斉藤さんがおっしゃっていた、『おいしいものは理屈抜きにおいしい!』というお言葉を皆さん身をもって体感されていたように思います。

実は今回の勉強会にお集りいただいたお3方、福島という土地以外にも共通点がありました。
それは、きゅうり、味噌、お酒、全て『発酵』が関わっているということです。
きゅうりを作る土の発酵、お酒を作る糀の発酵、味噌の糀の発酵、その共通点があるからこそ、実際に口にしてみても相性がいいのでしょうね。
被災地福島の農業の現状を実際にお聞きすることもでき、また、食の素晴らしさ、地元に根ざした地産地消の良さもあらためて感じることができた勉強会でした!


スローフード勉強会はすでに次回の開催も決定しています!
第3回目は、4月22日(日)『都市農業』をテーマに、東京都内の生産者さんにお越しいただきます!(意外かもしれませんが都内にも農家さんはいらっしゃるのですよ〜!!)
詳細は追ってHPにてお知らせしますので、お見逃しなく! 

「食や農業についてもっと知識を深めたい!」
「生
産者さんや専門家の方とじっくりお話がしたい!」

という方、ぜひ次回へのご参加お待ちしております!!

スローフード勉強会担当:弥生

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